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フルノは、「センシング(Sensing)、情報処理(Processing)、情報通信(Communication)」の3つの技術に、事業で培った知識・経験・スキル・ノウハウを統合(Integration)することで、見えないものを見るための機器・システムを提供しています。主に、見えないものを「探る」「測る」「送る」技術で、安全・安心で快適な社会の実現に貢献しています。
超音波/電波で「探る」
超音波を使って魚の群れを探したり、電波を発射して濃霧の中や、夜間でも周囲の船などの障害物を探索するなど、フルノは、超音波や電波を使って、通常では見えないものを「探る」製品を提供しています。
主な製品
魚群探知機

原理は山びこ
魚群探知機は水中へ超音波を発射することにより、その反射波をとらえることで、魚群の存在や水深、分布状況、海底の様子などを知ることができます。
「やまびこ」などもそうですが、発射した音波や超音波が進んでゆく途中、何か物体(魚群や海底)に当たると反射し、その一部分は元のところへ返ってきます。魚群探知機はこの超音波の反射する原理を応用しています。
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漁獲の判断や海洋資源調査にも利用できる
海中の魚群の存在や海底状況を画面上に表示することで、効率的な操業を支援しますが、今では、魚群の有無だけでなく、魚のおよそのサイズも判別できるため、漁獲の判断や海洋資源調査にも利用でき、将来にわたり持続可能な資源管理型漁業の実現にも役立っています。
船舶用レーダー
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レーダーって何?
船舶レーダーは、船舶の安全効率航行に欠くことができない航海用電子機器です。自ら発射した電波の反射波をとらえることで、海上の他船やブイ、鳥など航行上の障害物の存在を知ることができます。
レーダーは波長が極めて短いマイクロ波が使われており、マイクロ波によるエコーをキャッチすることで物標までの距離と方位を測り、その様子を映像としてディスプレイに表示します。
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原理は魚群探知機と同じ
原理は山びこと同じです。
例えば、今、マイクロ波を一方向へ発射したとします。
電波は一直線上を進みますが、その進行線上に他船や島などの物標があれば電波はそれらによって反射され反射波の一部は元の位置まで返ってきます。従って、電波を発射してからその反射波が返ってくるまでの所要時間を測定し、距離に換算することにより、それぞれの物標までの正確な距離を知ることができます。
現用レーダーには船舶用の他、気象レーダー、航空機管制用のレーダーなどがあります。
気象レーダー
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気象レーダーって何?
気象レーダーは、気象状況を観測するためのレーダーで、アンテナを回転させながらパルス状の電波(マイクロ波)を発射し、雨滴や雪片から反射して戻ってきた電波の強度や周波数のズレから、雨や雪の強さ・位置・移動速度を計測します。
反射して戻ってきた電波の強さから雨量を計算して色分け表示したものが、代表的な観測結果です。
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気象レーダーにはどんなものがあるの?
気象レーダーでは主にS帯、C帯、X帯の電波が利用されており、観測用途や範囲に応じて使い分けられています。
雨量を計測するには、雨滴の情報が重要になります。雨滴は、粒径が大きいほど大気および重力の影響を受けて楕円になり、水平・垂直の寸法差が大きくなります。
水平偏波と垂直偏波の両方の電波を同時に発射する二重偏波型の気象レーダーでは、それぞれ反射して戻ってくる電波の強度や位相の差から正確な降雨量を算出することができます。
フルノでは固体化素子を使用したX帯二重偏波気象レーダーを提供しており、正確な雨量の測定に活用頂いています。
超音波/電波で「測る」
人工衛星から発信される電波を地上で直接受信し、現在位置を割り出すGPS測位をはじめ、電波や超音波を使ってさまざまなものを「測る」製品を提供しています。
主な製品
GPSプロッタ
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GPSプロッタって何?
GPSプロッタは、カーナビゲーションシステムの船舶版。
自船の位置を把握するとともに、座礁しないよう浅瀬、岩礁などへ近づいた際に警報を発するなど、目印の乏しい海での安全航行を支援します。
GPSプロッタは、GPS衛星が発する電波を複数受信し、到着時間差をマイクロコンピュータで演算処理して自船の現在位置を割り出します。
GPSといえばカーナビを連想されますが、実は船舶での利用が先で、フルノでは1980年に既に商品化しています。
超音波骨密度測定装置
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超音波骨密度測定装置って何?
超音波骨密度測定装置は、踵部の両側にある振動子から超音波を送受信させることで、踵骨内に伝わる速度と減衰率から骨密度を測定します。
超音波は人体に安全なため、若年者や妊娠中の方でも安心してご利用いただけます。
フルノの骨密度測定装置はコンパクトで持ち運びしやすいうえ、操作も容易で短時間で測定できることから、骨粗しょう症のスクリーニング(ふるい分け)検査にも適しており、検診などに広くご利用いただくことで、骨粗しょう症の早期発見や医療費の削減に貢献しています。
地盤変位観測システム
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地盤変位観測の仕組み
地盤変位観測システムは、地盤変位や人工構造物の変位をミリメートルオーダーで計測し、長期にわたってその状態を遠隔で自動監視できる定点連続計測システムです。GPS/GNSS(Global Navigation Satellite System)の干渉測位技術により、三次元の座標を簡単に精密計測できます。
GPS/GNSSの「基準点」となる“不動点”と、変位を計測するための「計測点」に設置した各受信機とGPS衛星からの電波を同時刻に受信し、搬送波の位相の変化から地殻変位をミリ単位で割り出します。「地面が動く」=「機器の位置が動く」ことになり、「地面のズレ」は自動で監視センターで解析演算し出力します。
どういったところで使うの?
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地盤変位観測システムは、火山や地すべりなどの自然災害の監視のほか、堤防・護岸、ダム堤体、鉄道路盤などの変状監視や管理など、地盤変位に伴う危険性を察知し、災害を軽減して人々の安全・安心確保に貢献します。
電波で「送る」
電波は波長によりさまざまな特性を持つ電磁波の一種です。例えば、私たちが見ることのできる光や紫外線、病院のレントゲン撮影で使われているX線も電磁波です。
フルノではこの電波を使って、離れた場所へ情報を確実に「送る」製品を提供しています。
主な製品
衛星通信装置
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衛星通信装置って何?
衛星通信装置は、インマルサット衛星を利用した船舶と陸上との間の通信装置です。船上においてインターネットやEメールなどの利用をはじめ、遠く離れた家族との電話通話など、快適なコミュニケーションを実現するために必要な装置です。
インマルサットシステムには「インマルサットFX」「インマルサットFB」「インマルサットC」などのサービスがあり、インマルサットFXは、GXの高速ブロードバンドデータ通信とインマルサットFBを組み合わせた海上向けに、新しい通信サービスが開始されています。
インマルサットFBは、小型アンテナにより今まで装備できなかった漁船など、小型船舶にブロードバンドデータ通信と電話サービスを提供。インマルサットCは、GMDSSに対応しており、国際航海する商船などに必須の衛星通信装置です。
インマルサットシステムは、赤道上空約36,000kmにある静止衛星を用いて電波を中継し、船舶地球局と陸上の地球局に接続されたインターネット網や国際電話網との間で通信を行います。
AIS(船舶自動識別装置)
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AISって何?
AISは、洋上を航行する船舶同士が、航行情報を相互に交換するための装置で、船舶の識別符号や船名、位置、針路などの情報をデジタルデータで自動的に送受信することで、衝突防止や安全航行を支援します。
他船を認識する装置といえばレーダーがありますが、レーダーは地形によって電波が遮られる場合があります。
これに対しAISはデジタルデータで情報交換を行うため、島影に隠れた船舶の存在を正確に確実に把握することができます。
船の交通量は大阪湾で1日300隻。海上交通の要衝として知られるシンガポールでは1日数百隻を超える船が狭い海域を行き交います。今や海上も陸上並みに交通が過密しており、AISは船舶が安全に航行するために不可欠な装置です。
DSRC路側アンテナ
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DSRCって何?
DSRC(狭域通信)は車両通信に特化して設計された無線通信技術で、5.8GHz帯のマイクロ波を使って、基地局(路側アンテナ)と移動局(ETC車載器)との間で双方向の無線通信を行います。
通信距離は約2~20mと短く、高い信頼性が求められる高速道路での料金収受システムに使用されています。
DSRC技術を活用したサービス
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フルノではこの技術を用いて、ETC車載器や、DSRCでETC車載器と通信可能なDSRC路側アンテナを開発しています。また、DSRC路側アンテナで車両を自動識別し、入退管理や業務効率化のための車両管理ソリューションを提供しています。これらは、例えばマンション駐車場でリモコン操作を不要とするハンズフリーゲートや、物流施設・商業施設・工事現場など、高セキュリティかつ効率的な入退管理を必要とする場所で活用されています。