日本財団の無人運航船プログラムDFFASプロジェクト
古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役社長執行役員:古野幸男、以下、当社)は、公益財団法人日本財団(以下、「日本財団」)が実施する「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」(注1)において、国内30社で構成される Designing the Future of Full Autonomous Ship プロジェクト(以下「DFFASプロジェクト」)(注2)に参画し、日本財団と共同で、2025年までの本格的な無人運航船の実用化という目標に向けた実証実験の成功を目指しています。
このたび、DFFASプロジェクトは、無人運航船に必要な機能を網羅した包括的なシステムの一部として開発を進めている、陸上から無人運航船を支援するフリートオペレーションセンターを千葉市・幕張に竣工させました。
フリートオペレーションセンター
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遠隔操船用コンソール
(提供:DFFAS CONSORTIUM)
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3D Bird Viewシステム
自船周囲状況を3Dで俯瞰しながら、中・長距離操船計画の立案を支援。遠隔操船用コンソールへの搭載とともに、船舶にも搭載されます。
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フリート支援システムコンソール
(提供:DFFAS CONSORTIUM)
フリートオペレーションセンターと、当社の役割について
フリートオペレーションセンターでは、船舶上の情報と陸上に存在する豊富な情報を収集し、船舶の運航状態を監視・分析することによって陸上からの支援を行うとともに、緊急時には当センターから遠隔にて操船を行い、危険を回避するシステムを備えています。
当社は、船上の自動航行システムが陸上の支援を必要と判断した場合に、陸上から本船を遠隔操船するなど、速やかに本船の安全確保ができる非常対応システムを担当しています。加えて、同システムの一部として、センシングした自船/他船情報をVR(Virtual Reality 仮想現実)で3次元表示することにより、自船周囲状況を俯瞰しながら、中・長距離操船計画の立案を支援する3D Bird View(スリーディーバードビュー)システムの開発を進めています。
DFFASプロジェクトの概要
DFFASプロジェクトは、日本財団が描く無人運航船が支える内航海運事業の実現を目指し、内航船の人手不足という社会的課題の解消に貢献します。技術の標準化、制度・インフラ整備についてオープンコラボレーションで取り組み、2025年までの本格的な実用化という目標に向けて、2022年2月に内航コンテナ船を用い輻輳(ふくそう)する既存航路における無人運航船の実運用を模擬した実証実験を行います。
(提供:DFFAS CONSORTIUM)
当社では、同プロジェクトをはじめこれまで培ってきた舶用電子機器や通信技術をベースにして、より安全で効率的な船舶の自律運航実現に向けて、新たな技術革新に着手・推進しています。
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(注1)世界に先駆けて内航船における無人運航の実証試験を成功させることで、本分野の技術開発への更なる機運を醸成し、日本の物流及び経済・社会基盤の変革を促進、当該技術開発を支援するために創設された助成制度
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(注2)日本財団MEGURI2040無人運航船プロジェクトにおける一つのコンソーシアムであり、日本郵船グループが主導する「無人運航船の未来創造 ~多様な専門家で描くグランドデザイン~」において、国内30社で構成されるプロジェクト
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