日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」
古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、古野幸男社長、以下、当社)は、公益財団法人日本財団(以下、「日本財団」)が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」(以下、「本プロジェクト」)において、2025年までの本格的な無人運航船の実用化という目標に向けた実証実験の成功を目指しています。
このたび、当社が参画する2つのコンソーシアムのうち、株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区)をリーダーとする「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」(以下、当コンソーシアム)において、世界で初となる営業コンテナ船を用いた無人運航の実証実験に成功しました。
2020年にMEGURI2040が開始されて以降、当コンソーシアムでは無人運航船の実現に向け、各種要素実験に取り組んできました。2022年1月に内航コンテナ船「みかげ」を用いて、離桟から着桟・係船作業までを含む港から港間を船員による操船無しで航行する無人運航実験(出発港:福井県敦賀港、到着港:鳥取県境港)を実施しました。
(コンソーシアムメンバーおよび主要役割)
当社 |
「認知」機能の開発(認知センサー統合、離着桟支援センサー) |
株式会社商船三井
(社長:橋本剛、本社:東京都港区) |
全体コーディネーション、リスク評価 |
三井E&S造船株式会社
(社長:船津勇、本社:東京都中央区、以下「三井E&S造船」) |
「判断」「操作」機能の開発(避航操船、港内操船、離着桟操船の自動化) |
井本船舶株式会社
(社長:井本隆之、本社:兵庫県神戸市、以下「井本船舶」) |
実証船・船員提供、運航計画作成 |
株式会社A.L.I. Techonologies
(社長:片野大輔、本社:東京都港区、以下「A.L.I.」) |
係船支援技術の開発(ドローンを用いたヒービングラインの岸壁投下) |
商船三井フェリー株式会社
(社長:尾本直俊、本社:東京都千代田区、以下「商船三井フェリー」) |
実証船・船員提供、運航計画作成 |
MOLマリン&エンジニアリング株式会社
(社長:中島孝、本社:東京都港区) |
自動避航操船・自動港内操船・自動離着桟のシミュレーション作成 |
当社は本実証実験において、航海中における航海士の見張りの代替となる「認知」に担う自船周囲情報統合システムと離着岸時に岸壁との距離等を目視する業務を代替する離着桟支援センサーを担当しました。
自船周囲統合システム(レーダー・AIS・カメラ画像認識から得た情報を統合し他船や障害物の位置、速度、船種等を計測・表示する装置)は、無人運航のために設定した航路上に他船や障害物がある場合に、自律操船制御システムへ避航計画を立案するための情報を提供します。
自船周囲情報統合システム
自船周囲情報統合システム表示画面例
離着桟支援センサー
離着桟支援センサー(LiDAR・カメラ・サテライトコンパスで得た情報から岸壁と船体の正確な相対距離、相対角度を計測・視覚表示する装置)は自動着桟時に自律操船制御システムへ必要な情報を提供しています。
離着桟支援センサー表示画面例
今後の実証航海試験の予定
さんふらわあ しれとこ(商船三井フェリー保有船) |
内航フェリー |
苫小牧→大洗 |
2022年2月 |
当社では、同プロジェクトをはじめこれまで培ってきた舶用電子機器や通信技術をベースにして、より安全で効率的な船舶の無人運航実現に向けて、新たな技術革新に着手・推進しています。
Full Ahead with FURUNO, Digital Transformation
https://www.furuno.com/jp/marine-dx/
関連リンク
2022年1月25日発表(日本財団):無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」世界初の営業コンテナ船の無人運航実証、福井県敦賀港‐鳥取県境港間で成功
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2022/20220125-66849.html
2022年1月25日発表(商船三井):世界初、商業運航コンテナ船の無人運航実証実験に成功!
https://www.mol.co.jp/pr/2022/22007.html
2022年1月26日発表(三井E&S造船):内航コンテナ船「みかげ」の自動航海実証実験の成功
https://www.mes.co.jp/press/2022/0126_001740.html
2020年6月15日発表(古野電気): 無人運航による実証実験に参画
https://www.furuno.co.jp/news/general/general_category.html?itemid=903&dispmid=1017