1949年に世界初の商品化、水産業の近代化への貢献を評価
古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役社長執行役員:古野幸男、以下、当社)はこの度、1949年に世界で初めて魚群探知機を商品化※1し、水産業の近代化に貢献したとして、世界最大の電気・電子分野の国際学会IEEE※2から「IEEE Milestone」に認定される運びとなりました。
画像:左(初期型の魚群探知機)、右(超音波による魚群探知の原理図解)
IEEE Milestoneについて
本賞は、電気・電子分野の画期的イノベーションのうち、開発から25年以上経過し、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的偉業を認定する制度として1983年に創設されました。過去にはボルタ電池やフレミングの2極管、さらに日本では二次元コードや東海道新幹線、ハイビジョンなどが受賞しており、2024年までに世界で約260件の業績が認定されています。
(参考:過去の受賞一覧)https://ieee-jp.org/activity/jchc/milestone_jusho.html
認定された「魚群探知機」について
魚群探知機は振動子に電流を流すと超音波が水中に発射され、その反射波を電気信号に変換することにより魚群を映像化して探知する装置です。当時、海深調査に使用されていた音響測深機の受信増幅器を改良し、魚群から反射する微弱な超音波信号を探知できるようにしました。そして、その送受波器を船底に設置することで気泡によるノイズの影響を最小限にする設置方法を考案し、1949年に世界で初めて商品化を行いました。
開発した魚群探知機を用いてイワシの群れの正確な探知に成功したことで漁獲量が飛躍的に向上し、漁業に欠かせない装備として急速に普及しました。漁獲量の向上は戦後不足していたタンパク質の資源確保にも役立ち、日本人の生活の安定に貢献しました。それまで漁師の勘と経験に頼っていた漁業に「科学的な目」を与えたことで、日本のみならず世界の水産業に大きな変革をもたらし、現在では世界中の漁船に魚群探知機が搭載されています。
当社では今後も「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」を目指して、さらなる技術革新を目指してまいります。
※1 当社が世界で初めて魚群探知機の実用化に成功したのは1948年
※2 米国に本部を置く世界最大の電気・電子・情報・通信の技術者の学会。世界190ヵ国以上に46万人を超える会員を擁する