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ニュース詳細

「令和6年度地域デジタル基盤活用推進事業」に採択

2024年10月04日

林業機械の遠隔操作化および現場モニタリングの実証実験を開始

古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役社長執行役員:古野幸男、以下 当社)は、総務省が実施する令和6年度地域デジタル基盤活用推進事業(実証事業)において、「Wi-Fi HaLow™、Starlinkを活用した林業機械の遠隔操作化および現場モニタリングの実証」に関する提案が採択され、本年9月から実証事業を開始しましたのでお知らせします。


林業機械(架線式グラップル)を遠隔操作し、材木を運搬する様子

本実証事業は、新たな通信技術を活用して地域課題の解決を目指す先進的な課題解決モデルの創出・横展開を目的とした社会実証です。採択案件一覧については、以下をご参照ください。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000969014.pdf(当社概要はP.8)

当社の実証事業期間

・2024年9月~12月予定(徳島県那賀郡那賀町大戸地区)

今回の実証事業の目的

徳島県は全国9位の森林率を誇り、今回実証実験を行う那賀町は徳島県の南部に位置しており、面積の約95%を森林が占めます。同県は林業が基幹産業であり、現在地域が抱える課題として「林業従事者の不足」「モバイル通信圏外を要因とするICT機器配備の遅れ」「林業現場における災害リスク」があげられます。
当社では本実証実験によって、通信圏外でのICT機器の配備や遠隔操作による伐採場の省人化、さらには現場モニタリングシステムによる各種災害リスクの逓減を目指します。また、安全性の向上および省人化を実現することで働きやすい環境の構築や林業従事者の定着率向上など、慢性的な課題である従事者不足の解消にも努めます。

実証事業の概要

①Wi-Fi HaLow™を活用した林業機械の遠隔操作化

林業機械(架線式グラップル)にWi-Fi HaLow™のアクセスポイントとネットワークカメラを取り付け、カメラ映像をモニターに投影することで遠隔操作を行います。これまでの架線式グラップルを使用した荷掛け作業(木材を掴む作業)は急勾配な斜面に作業員を配備し、木材とできるだけ近い距離からリモコンで操作していました。今回の遠隔操作化によって安全な場所から遠隔操作できるため、荷掛け作業の省人化や安全性確保を実現します。


従来の荷掛け作業の様子

②Wi-Fi HaLow™、Starlinkを活用した現場モニタリングシステムの構築

平常時は作業監視として使用し、土砂崩れや大規模豪雨発生等の緊急時には災害監視として活用できる当社の簡易型クラウド河川監視カメラ「FWC」を、Wi-Fi HaLow™の無線LANアクセスポイント「ACERA330」を介して衛星インターネットアクセスサービスStarlinkに接続することで、バックオフィスから活用できる現場モニタリングシステムを構築します。モバイル通信環境のない現場が多い林業において、通信手段を確保することでクラウド上へ画像をアップロードする小型ワイヤレスカメラの設置が可能となり、平時での作業監視の他、労働災害、気象災害など早期発見が可能になります。また、発災時の連絡時間の短縮や平時での作業員の通信手段の確保にも繋がります。

実証事業で使用する当社機器


  • 簡易型クラウド河川監視カメラ「FWC」


  • 無線LANアクセスポイント「ACERA 330」

簡易型クラウド河川監視カメラ「FWC」

FWCは夜間撮影可能なソーラー&バッテリ一体型の簡易型クラウド河川監視カメラです。ソーラー給電で内蔵バッテリに蓄電を行い、少ない消費電力による動作で無日照でも7日間以上※動作します。また、超高感度を実現し、暗い場所・夜間などこれまで鮮明に撮影できなかった状況下においても、フラッシュ無しで撮影可能です。さらに配線不要のソーラーパネル一体型で大がかりな設置工事が不要なため、簡単に設置することができ、設置日からすぐに使用したい場合や一定の期間運用する場合などにも最適です。ネットワークはLTE/Wi-Fi HaLow™(IEEE802.11ah)を使用しており、クラウドを使用した遠隔監視が可能です。
※5分に1回の撮影での稼働日数です。

無線LANアクセスポイント「ACERA 330」

ACERA 330はWi-Fiの新たな通信規格「IEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow™)」対応の無線LANアクセスポイントです。IEEE802.11ahは、あらゆるものがネットワークにつながるIoT(モノのインターネット)の通信基盤構築に適しており、920MHz帯の電波を使うことで半径約1キロメールの長距離通信が可能となります。また、データ伝送速度の最大値が1.5Mbps(理論値)となることから、IoT向け無線通信としては高速な通信が可能となり、センサー情報にとどまらず従来では難しかった画像・映像の伝送にも対応します。Wi-Fiと同じくアクセスポイントを中心にエリアごとに自営ネットワークの構築が可能で、通信料を気にせずネットワークを構築できます。また、カメラを使用した河川や道路の冠水監視、センサーやカメラを使用した農作物の生育状況の把握、学校や近隣の防犯カメラ用途など、幅広い分野で活用可能です。

総務省|ICT利活用の促進|地域デジタル基盤活用推進事業

https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/digital_kiban/index.html

本件に関するお問合せ先

システム機器事業部 事業企画部 事業企画課
(担当:木谷・内形)
TEL:0798-33-7517

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