小型船向けに姿勢センサーを標準搭載、荒天時でも安定して魚群を探知
古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役社長執行役員:古野幸男、以下 当社)は、 このたび全周型カラースキャニングソナー「型式:CSH-10」を新たに開発し、2024年9月より国内販売、11月より海外販売を開始しました。本機器は「型式:CSH-8L MARK-2」の後継機として、小型船にも搭載可能なコンパクト設計を継承しながら、今回新たに姿勢センサーを標準搭載しました。
全周型カラースキャニングソナー(型式:CSH-10)
全周型カラースキャニングソナー「型式:CSH-10」は、自船周囲全方向に向けて同時に超音波を発射して水面下の状況を瞬時に捉え、魚群や海底、投下した綱など、海中の様々な状況把握を容易にします。85 kHz高周波送信により瀬付き・底引き魚群を判別できる探知性能を備えていることに加えて、シャープなビーム幅は表層魚群の探知に有効です。また、当社独自のビームスタビライズ技術による姿勢センサーを標準搭載しており、荒天時においても安定した映像表現を可能にしました。
製品の特長
クリアな映像表現
安定した探知を実現する「ビームスタビライズ機能」
荒天時には船体の動揺によってビームの探知方向が安定せず、魚影や物標映像の表示にも乱れが発生します。これを解消するために全周型カラースキャニングソナー「型式:CSH-10」は姿勢センサーを標準搭載、当社独自のビームスタビライズ技術によってビーム角を自動的に指示した角度へ向くようにして探知ビームの動揺を補正します。
優れた分解能を補完する独自の信号処理技術
従来機で好評をいただいている高周波使用による高い分解能に加え、当社独自の信号処理技術オートフィルター機能によって、より鮮明な映像表現を提供しています。ビームスタビライズ機能による安定した物標捕捉のみならず、優れた分解能による映像表現は魚群や海中の地形・構造物の見極めに大変役立ちます。
探知性能の向上
従来よりもさらに遠距離から魚群や構造物を捉えることが可能です。姿勢センサー搭載によって、遠距離探知の性能は旧モデルと比べて2割程度向上しています。
約850 m先の沈船を捉えた映像
操業をサポートする便利な操作性
「操作部」「無線リモコン」「スイッチボックス」など、多彩な操作オプション
従来機よりさらに小型化、多機能化した新操作部に加え、「電源ボタン」「上下動ボタン」「スピーカー部」のみ取り出した小型スイッチボックスを新たにラインナップし、本体から離れた場所からでも送受波器の上下動操作を可能にしました。
写真左から、操作部、無線リモコン、小型スイッチボックス
見やすい表示「ティルトインジケータ」「送受波器位置インジケータ」
ティルト角、カーソルまでの直線/水平/垂直距離、ビームの探知範囲、ビーム幅上端、下端の深度を一目で確認できるティルトインジケータを新たに採用しました。ティルトインジケータ表示の下には送受波器位置インジケータを配置しています。これにより送受波器の動作や状況を画面から常に確認できるため、安全な上下動操作に役立ちます。
表示画面左上に設けられた「ティルトインジケータ」
全周型カラースキャニングソナー(型式:CSH-10)の詳細については、以下をご参照ください。
https://www.furuno.com/jp/products/sonar/CSH-10