古野電気株式会社（本社：兵庫県西宮市、代表取締役社長執行役員：古野幸男、以下、当社）は、建設現場向けWi-Fiシステム「ウェーブガイドLAN」と建設現場向け「リモートモニタリングシステム」を活用し、建設現場内における放送設備に関する実証実験を実施しました。

本実証実験は、TOA株式会社（本社：兵庫県神戸市、代表取締役社長：谷口方啓）と共同で実施しました。当社の現場内ネットワークを構築する無線LAN設備である「ウェーブガイドLAN」と、作業員のフロア検知を実現するセンサーシステム「リモートモニタリングシステム」を建設現場へ導入することで、現場内でのIP放送システムを構築しました。

実証実験の背景

スマートフォンなどのデバイスが普及したことで、建設現場では放送設備を設置することが少なくなりました。スマートフォンを持っていない作業員や連絡先を知らない作業員に対して周知を行うことが難しいため、災害など有事発生時において、迅速に現場全体への周知や対応を促すことが課題でした。

実証実験の概要

②特定フロアへの個別放送

次に「リモートモニタリングシステム」を活用することで、各フロアにいる作業員を特定したうえで、特定のフロアのみに放送する実験を実施しました。「リモートモニタリングシステム」では作業員に取り付けたBLE（Bluetooth Low Energy）センサーを各フロアのゲートウェイが検知することで、作業員のフロアを特定することが可能です。本実験では、センサーデータを元に特定したフロアにおいてSIPユニキャスト通信による個別放送を実施し、所望のフロアにのみ放送が行えたことを確認しました。

本実験で構築した現場内無線ネットワークとIPスピーカーによるシステムにより、現場での確実な放送ができることを確認しました。近年はゲリラ豪雨や大型地震など、自然災害のリスクも高まっており、本システムは現場の管理者にとって有効なシステムであることが確認できました。

用語解説

IP：ネットワークを経由してデータパケットが正しい宛先に到達できるように、ルーティングおよびアドレス指定するための通信プロトコル
マルチキャスト：1つのデータを特定の複数の端末へ同時にデータを送信する1対多の通信方式
ゲートウェイ：センサーから取得したデータをクラウドサーバーへアップロードする機器
SIP：IPネットワークを通じて、音声やビデオ通話などのリアルタイムコミュニケーションを可能にする通信プロトコル
ユニキャスト：特定の端末を対象としてデータを送信する1対1の通信方式

当社が提供する建設現場向けの各種システムについて詳しくは以下をご参照ください。

建設現場向けWi-Fiシステム：https://www.furuno.com/special/jp/waveguidelan/
建設現場向けリモートモニタリングシステム：https://www.furuno.com/special/jp/remote_monitoring/

本システムに関する問い合わせ

https://www.furuno.co.jp/contact/cnt_contech.html