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2024年11月20日
見やすさと操作性を兼ね備えた次世代統合漁労システム
古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役社長執行役員:古野幸男、以下 当社)の海外子会社にて開発した次世代統合漁労システム「スマートブリッジ」が、このたび日本で初めて石田丸漁業株式会社(本社:茨城県神栖市、代表取締役社長:石田和芳)が保有する船舶に搭載されましたのでお知らせします。
次世代統合漁労システム「スマートブリッジ」が搭載された 第78石田丸(199t型旋網本船)
本システムは、漁船操業時の様々なシーンに合わせてモニター表示を自在にカスタマイズできる、閲覧性と操作性を兼ね備えたブリッジシステムです。スウェーデンの当社グループにて開発され、漁業大国であるノルウェーやデンマーク、イギリス、スウェーデンなどで導入を進めており、日本国内では初の導入事例となります。現代の大型漁船は、安全で効率的な運航を行うため、船速計やGPS(GNSS)プロッタ、航海用レーダーなど数多くの機器が搭載されています。また、実際に漁を行う際には、魚群探知機(以下、魚探)やスキャニングソナーを使用して魚群の探知や動向の観察、さらには海底の状況を確認し、潮流計を見ながら網がどのように広がるかを確認しながら操業します。その結果、漁労長や航海士は航海用から漁労用に至る数十台の電子機器やシステムを状況に応じてそれぞれの画面を確認しています。本システムの搭載により、これまで個別で確認していた各種電子機器をネットワークで繋ぎ、その時に必要な情報を必要なタイミングで一番見やすいモニター上に映し出すことが可能になりました。
次世代統合漁労システム「スマートブリッジ」は、 状況に合わせて必要な電子機器の映像をモニター上に表示できる
通常は、魚探専用や潮流計専用など電子機器毎に固有のモニターが配置される
次世代統合漁労システム「スマートブリッジ」は表示画面を自在にカスタマイズできるということも大きなメリットですが、そのコンセプトにはさらに先を見つめた漁業における重要な視点が盛り込まれています。目指すのは「さらなる効率操業」です。安全安心な操業だけではなく、資源管理をも考えたまさにスマート漁業につながる仕組みを想定しています。目標はソナーやレーダーなどの情報が複合して表示されるだけでなく、それらの情報を分析して提供できるシステムの実現です。例えばソナーに出てきた魚群反応に対して、分析まで行うことで魚種や大きさなどを判定し、時期や漁獲制限と照らし合わせた上で“この魚群は獲るべき魚群かどうか”を教えてくれる日が来るかもしれません。
トルコの漁船での次世代統合漁労システム「スマートブリッジ」搭載イメージ
手元のタブレットを操作することで、 その時に必要な情報をモニター上に映し出すことが可能
今後も当社では本システムのさらなる改良と共に搭載船隻の拡充を図ることで、持続可能な水産資源の確保や人材不足等の課題にあらゆる面から取り組み、よりサステナブルな漁業の実現に貢献してまいります。
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