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2010年01月01日
「顧客第一主義が原点」
古野電気株式会社 代表取締役社長 古野 幸男
新年明けましておめでとうございます。 国内外ともに先行き不透明な年明けとなりました。このような状況は今しばらく続くと予想され、どの業界であれ、従来の延長線上での経営の進め方では、ジリ貧になるだけなのは火を見るより明らかです。 メーカーであれば、新商品の創出と新市場の開拓が不可欠です。当社の場合、魚群探知機を世界に先駆けて実用化したわけですが、終戦後間もない頃、海の中の魚を見るという漁業者の潜在的なニーズをいち早く具現化できたのは、創業者が、漁師町に住み、船舶の電気艤装の仕事に携わっていたことが背景にあります。身近に漁業に接するうちに、当時の非近代的な漁業のあり方に素朴な疑問を抱き、海の中が見えたらどんなにいいだろうという夢を抱いたことが出発でした。 紆余曲折を経て、昭和23年に魚群探知機を実用化してからは、無線機、ロラン、レーダー、ネットゾンデ、スキャニングソナー等、次々と新商品を開発していきました。 顧客と一体となって、機器のアイデアを考え、改善・工夫を積み重ねてきたことが、新商品開発の原動力となってきました。「買って喜び、売って喜ぶ」とは社内でよく使われている言葉ですが、お客様は、買った商品(機器)で目的を達成して得をし、売った私達は、それで利益を出して、しかも、世の中の役に立つという関係の基本は、顧客第一主義であると言えます。 良いものを、いかに安く、いかに早くお客様に提供するかを追求していくと、安全、品質、価格など、どれも疎かには出来ません。単に、顧客と接する営業マンにその気持ちがあればいいのではなく、社員全員がお客様-最終ユーザーの気持ちになって、モノづくりをすることが肝要です。お客様の期待に応えたモノづくりをする気持ちがあって、そのニーズに応えた開発が出来るし、製造ではミスや故障のない作業をしようという気持ちが生じます。 顧客第一主義を、組織全体で如何に徹底できるか、この原点を今一度見直していかねばと思います。 今年も、皆様のご指導、ご鞭撻をお願いいたします。
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