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2015年01月01日
「これからもお客様とともに」
古野電気株式会社 代表取締役社長 古野 幸男
新年明けましておめでとうございます。 昨年の世界経済は、米国経済が住宅市場や個人消費を中心に唯一、好調さを取り戻す一方、中国で不動産開発投資の減少や個人消費の鈍化、欧州経済の減速など、全体として景気回復の勢いが弱まった一年でした。日本経済は、円安の為替相場を背景に輸出関連企業の業績は好調に推移していますが、消費税引き上げによる駆け込み需要の反動、消費税の再増税延期など内需と個人消費の面では不確実さが増しております。 当社を取り巻く海事業界においては、昨年前半は商船の新造船受注量が好調だったものの、海上輸送需要に対する過剰な建造能力を抱える業界構造の課題が解決されたわけでもなく、海運市況の低迷が続いています。特に海洋分野へ進出した韓国造船大手の採算悪化が拡大しており、予断を許さぬ状況に至っています。また、漁業市場では昨秋、年間漁獲量の上限を漁船ごとに割り当てる個別漁獲割当(IQ)について、日本ではじめてサバ類で試験導入されるなど、資源管理型漁業へと潮流が変わりつつあります。 当社はこのような事業環境にあって、経営ビジョン「安全安心、環境に優しい社会・航海の実現」のもとで、環境の変化に迅速かつ柔軟に適応しながら、常に「お客様のお困りゴトを解決する」ことに専念する必要を感じております。 昨年6月、公益社団法人発明協会の「戦後日本のイノベーション100選」に当社の魚群探知機が選定されました。同会では「戦前から受け継がれてきた超音波技術の発展と、中小企業であった同社の企業家的行動による価値創造が生み出したイノベーション」であり、「漁業者の経験と勘に依存していた漁業を科学的見地から実施する方法に変革し、水産業の歴史に大きな足跡を残した」ことを選定理由に挙げています。 AmazonやGoogle、Appleといった企業が、小売量販や物流、CDや書籍などのコンテンツビジネスのあり方を変えたように、過去の延長線上に未来はない、ということを、当社は創業期に実践していたわけです。 当社はこれまでも、お客様の声を直接聞き、困っておられることを解決するコンサルティングセールスを重視してきました。事業環境が時々刻々と変化するなかで、過去に学んでノウハウを継承しつつ、変えるべきものは大胆に変えていく。その実践を積み重ねることが、お客様とともに次なる飛躍を遂げる唯一の道と考えております。 今年も皆様の一層のご指導、ご鞭撻をお願いして、新年の挨拶とさせていただきます。
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