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ニュース詳細

都市域における局所的集中豪雨に対する雨水管理技術実証事業、平成27年度B-DASHプロジェクトに採択

2015年04月21日

下水道雨水管理のスマート化により、局所的豪雨から街を守る取り組み

古野電気株式会社(社長:古野 幸男、本社:兵庫県西宮市、以下「古野電気」)は、国土交通省が実施する下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト、※注1)において、当社を含む8者からなる共同研究体で「都市域における局所的集中豪雨に対する雨水管理技術実証事業」を提案し、平成27年度実施事業として採択されました。

本事業では、不確実性の高い降雨データの収集確度向上、提案システムの汎用性、適用性、普及展開方策を多面的に検証するため、福井市および富山市の2フィールドを選定して実証を行います。


※注1・・・新技術の研究開発及び実用化を加速することにより、下水道事業におけるエネルギー利活用の効率化やストックのLCC低減等を推進し、水ビジネスの海外展開を支援するため、平成23年度より国土交通省が実施している実証事業。公募・有識者審査により採択された革新的技術について、受託者が実規模プラントを設置し、効果の実証を行うものです。

共同研究体8者のそれぞれの役割と目標とする実証効果イメージ
▲共同研究体8者のそれぞれの役割と目標とする実証効果

ハード、ソフトの両面から総合的な浸水対策を推進し、住民との連携により、地域防災力の向上を実現する革新技術の実証研究を行います

本提案は、近年増加傾向にある下水道の雨水排除能力を超える局所的豪雨に対して、3つの革新技術を組み合わせて、既存の雨水対策施設の機能の最大限活用や浸水ハザードマップの作成・配布、住民の自助・共助の十分な時間確保を実現し、浸水被害の縮減効果を実証するものです

共同研究体は、福井市(市長:東村 新一、以下「福井市」)、富山市(市長:森 雅志 、以下「富山市」)、国立大学法人神戸大学(学長:福田 秀樹、本部:兵庫県神戸市、以下「神戸大」)、江守商事株式会社(社長:江守 清隆、本社:福井県福井市、以下、「江守商事」)、株式会社新日本コンサルタント(社長:市森 友明、本社:富山県富山市、以下「新日本コンサル」)、株式会社日水コン(社長:野村 喜一、本社:東京都新宿区、以下「日水コン」)、メタウォーター株式会社(社長:木田 友康、本社:東京都千代田区、以下「メタウォーター」)および当社の8者で構成されます。

実証フィールドである福井市、富山市イメージ
▲実証フィールドである福井市、富山市

実証事業の概要

従来の降雨予測・観測システムでは、情報が不十分のため自助・共助のための十分な時間が確保できない、雨水貯留施設等において正確な降雨予測や放流先情報が少なく、成行き運転となるため施設能力を十分活かせないなどの課題がありました。実証フィールドとなる福井市、富山市とも5年に1回程度発生する局地的豪雨に対するハード整備を推進していますが、近年、局地的集中豪雨による浸水が多発し、降雨観測・浸水予測の高精度化によるソフト対策を含めた新たな対応が必要となっています。

本事業は、 ①「都市域レーダシステム」(注2)による積乱雲の早期検知、 ②「短時間降雨予測モデル」による降雨量・強度の予測、 ③「リアルタイム高速雨水流出予測解析システム(以下、高速流出解析システム)」による浸水エリアの予測をより早く正確に行うことで、土嚢の設置や高台への移動など市民の自助・共助の促進や、雨水排除施設への支援情報提供による施設能力の最大限活用などによる被害縮減効果を実証します。

※注2・・・都市域小型高解像度マルチレーダシステム(都市域レーダシステム)・・・当社製の高性能Xバンド小型ドップラ気象レーダー3基で構成されるマルチレーダーシステムを指します。

実施者:福井市・富山市・神戸大学・古野電気・江守商事・新日本コンサルタント・日水コン・メタウォーター共同研究体
実証フィールド:福井市、富山市の2フィールドにて実施

実証技術の概要と見込まれる効果イメージ
▲実証技術の概要と見込まれる効果

補足情報

古野電気は、世界トップシェアを誇る航海用レーダーで培ったノウハウを駆使し、企業、大学と共同研究を推進しながら局地災害の被害低減に寄与する気象解析ソリューションに取り組んでおります。

当社が開発した世界最小・最軽量級の気象レーダーは、従来の大型気象レーダーに比べ、容易に設置および運用可能であり、2013年8月に対外発表して以降、国内外において、局地的短時間集中豪雨(ゲリラ豪雨)を含む降雨観測試験や下水道管理支援システム構築に向けた現地大学との共同研究をはじめ、竜巻の発生などの気象現象の解明研究や、周辺の気象情報の入手が困難である山岳地域や地方空港における気象観測など、様々な分野において事業・実証展開を進めています。

今後、それらの経験や実績を活かし、国内外における防災や減災に寄与するソリューションの提供に向けた挑戦を続けて参ります。

今回の実証事業では、高度防災社会の実現に向けて必要とされる局地気象予測に欠かすことのできない、高性能Xバンド小型ドップラ気象レーダー3基で構成されるマルチレーダーシステムを、「都市域小型高解像度レーダシステム」(都市域レーダシステム)として福井市と富山市にそれぞれ提供し、信頼性の高い高精度な降雨観測を行います。

ご参考

国土交通省「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)の実施技術の選定について」(2015年4月20日発表)
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo13_hh_000268.html
当社の気象観測システムについて
http://www.furuno.com/jp/systems/meteorological-monitoring/

本件に関するお問い合わせ先

古野電気株式会社 舶用機器事業部 システムソリューション部
〒662-8580 兵庫県西宮市芦原町9-52
TEL:0798-63-1201
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