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ニュース詳細

超高層ビル建設現場に安定した通信ネットワークを構築!

2020年07月31日

ウェーブガイドLANシステムTMを改良した新たな通信システム

古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、古野幸男社長、以下、当社)は、戸田建設株式会社(本社:東京都中央区、今井雅則社長、以下 戸田建設)並びにPicoCELA株式会社(本社:東京都中央区、古川浩社長、以下 ピコセラ)と共同で、超高層ビル建設現場の高層階でも安定した通信ネットワークを構築できる新たな通信システムを確立しました。本システムは、当社と戸田建設が共同で開発した「ウェーブガイドLANシステムTM」と、ピコセラの無線LAN接続方式を組み合わせたもので、この度、戸田建設が建設中の高層ビルにて実証実験を行い、その有効性を確認しましたのでお知らせします。

新たに開発した通信システムのイメージ
▲ 新たに開発した通信システムのイメージ

開発の背景

本システムは、昨年10月14日に発表した「ビル建設現場向け無線LANシステムを開発」に続くシステムです。「ウェーブガイドLANシステム™」は、建設現場で足場として使われる単管パイプを導波管として活用する無線LANシステムで、単管パイプと電波を放射するアンテナユニットを組み合わせることで、LANケーブルを各フロアに敷設することなく建物全体に堅牢で快適な無線通信環境を構築することができます。工事進捗に合わせて簡単に設置変更できることから、携帯端末やIoT機器を使用する機会の多い建設現場での適用を進めてきましたが、その放射電力には限界があり、超高層ビルの高層階においては、フロア全体に安定した無線通信環境を構築できないといった課題がありました。

本システムの概要

新たに開発した通信システムは、「ウェーブガイドLANシステム™」と、ピコセラ独自の無線LAN接続方式「無線バックホール方式」を組み合わせたもので、「無線バックホール方式」は、複数のアクセスポイント間を無線接続することで屋内外問わず容易に無線通信環境を構築・拡張できます。そのため、縦方向(高さ)への電波伝搬に強い「ウェーブガイドLANシステムTM」と横方向(広さ)に強いピコセラ製のアクセスポイント(PCWL0410)を組み合わせることで、広範囲に安定した無線通信環境を構築することが可能となりました。

この度の実証実験では、「ウェーブガイドLANシステムTM」を建設中のビルに適用し、ピコセラ製のアクセスポイント(PCWL0410)を16階に増設する前後で通信環境の状況を確認しました。
使用したアクセスポイントは合計3台で、1階から16階まで設置した単管パイプ導波管の1階(#1)、10階(#2)および16階フロア(#3)に配し、1階に設置したアクセスポイント #1 にのみ有線LANを接続しました。
実験の結果、アクセスポイント #3 の増設により16階フロアの通信環境が大きく改善され、フロアのほとんどで無線通信が可能であることを確認しました。

実証実験16階フロア内の通信状況のイメージ(左:改良前、右:改良後)
▲ 実証実験 16階 フロア内の通信状況(左:増設前、右:増設後)

今後の展開

当社は、新たに開発した本システムを現在戸田建設が建設中の超高層ビル(高さ210m)地下4階から地上38階に適用し、5台のアクセスポイントで良好な無線通信を確認しています。今後さらに全国の建設現場に展開し、堅牢で快適な無線通信環境を提供することで、建設現場でのデジタル化、ICT施工の普及に貢献してまいります。

関連リンク

報道関係からのお問い合わせ先

古野電気株式会社 経営企画部 広報担当
TEL:0798-63-1045 (担当:佐藤/長田)

本システムに関するお問い合わせ先

古野電気株式会社 システム機器事業部 ITS BU 営業部 東京支店 営業課
TEL:03-5624-7473 (担当:渡邉/増田)

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